パニック障害の「パニック」とは?
パニック障害の「パニック」とは?
パニック障害のパニックは、激しい不安の症状が突発的かつ急激に出現する、という特徴を持っています。パニック発作とも言われます。
たとえば、日常的に私たちは、想定外の出来事に遭遇して、一瞬頭が真っ白になった時や冷や汗をかいた時に、「パニックになった」と言いますが、この場合のパニックだと確かに突発的に自分の予想していない出来事に遭遇したということと、ほんの一部だけ症状が良く似ていますが、「激しさ」が足りません。
仮に、日常的な意味合いから連続して「パニック障害」のパニック発作を連想しているとしたら、患者の置かれている状況を大きく過小評価することになります。
仕事上のトラブルに遭遇して、冷や汗をかいたり、心拍数が増加したり、手足が震えたり、というような状況を経験した人もいるでしょう。
パニック発作でも、こうした症状は現れます。しかし、そのすべてが同時に起こって、今仕事をしている現実から突き落とされるような感覚を味わった経験がある人は決して多くはないはずです。
予想外の出来事に遭遇した時に、強い緊張に強いられることがあったとしても、自分の正常な精神や感情が踏みにじられるような思いをすることは、パニック障害の持ち主でなければ、ないはずです。
緊張の時期が過ぎれば、元の日常に帰っていくことができますし、そもそも自分の人生がパニックになった時に終わってしまうのではないかと思うこともないのです。
日常的なパニックとパニック障害の違い
日常的にパニックに陥るということと、パニック障害は大きく異なります。
先述したように、まず、程度が違います。加えて、パニック障害は一度のパニック発作に留まらず、何度もパニック発作が繰り返されます。
強烈なパニック発作が何度も繰り返されるところに、パニック発作の厄介なところがあります。
パニック発作が繰り返されるようになれば、当然、人はパニック発作が「繰り返されるのではないか」という不安を抱きます。
これは、先月たくさん買い物をしたから、クレジットカードでたくさん支払いが回ってくるのではないか、とか、今日から違う職場に転勤になったので不安だ、という不安とは異なります。
パニック発作が起こるかもしれないから、という具体的な対象がはっきりあるわけではない不安です。
パニックの繰り返しとそれを見越した不安に加えて、こんな状態が続き、いつパニック発作が起こっても仕方がない状況で広い場所へ行きたくない、といった恐怖心や、パニック発作が何度も続くことで人生や自分の能力に希望を失ってしまうといった事態が生じます。
このように、パニック障害は、日常的な意味でのパニックと強度も異なれば、人生に対する影響力も大きく異なるのです。
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