広場恐怖の実態
広場恐怖の実態
パニック障害は、パニック発作(精神・身体が危険にさらされているかのような反応を示す)と予期不安(パニック発作がまた起こるのではないか)によって、特徴づけられます。
こうした状態で、パニック発作と予期不安を繰り返していると、恐怖症を併発することがあります。
不安症はよくわからない不安を特徴としていますが、恐怖症は特定のものや出来事に対する恐怖によるものです。
パニック障害を持つ患者の大部分(8割にも及ぶ)が、広場恐怖を持ち合わせています。
広場恐怖に分類されている恐怖症は2つあり、その名の通り広い場所に対して恐怖心を抱くものと、パニック発作を起こした場所と発作を結び付けて恐怖の対象とするものがあります。
まず前者について考えてみましょう。パニック発作を起こした時には、当然ながら死の恐怖を感じるほど凄まじい心理状況に患者は追い込まれます。
このまま「死んでしまうかもしれない」「自分が自分でなくなってしまうかもしれない」というときには、逃げ出すことや助けを求めることを考えます。
元々ストレスがかかった時に、人はストレスの対象に対して戦うか、逃げるかという反応を示すことから考えても、強いストレス症状であるパニック発作で逃避行動をとりたくなるのは容易に想像できます。
しかし、広場では逃げ出すことも、誰かに頼ることもできません。そこで、そもそも広場を恐怖として、行動範囲から締め出してしまいます。
場所と出来事の結びつき
どうやら人の頭は大変おめでたくできているようで、宝くじ売り場などでも、「この場所からよく一等が出る」などという話を聞くと、ランダムな出来事と場所を結び付けがちです。
この習性は、パニック障害の患者でも同じです。
広場恐怖に分類される2つ目は、パニック発作が起きた場所と発作を結び付けることで、特定の場所に対して強い恐怖心を持つようになるということです。
パニック発作は突発的に起こるので、場所は関係がないのですが、「たまたまその場所で起こった」ということから場所と出来事を結び付けてしまうのです。
結果として、その場所に行くことを避けるようになります。
こうして場所と出来事を結び付けていくと、行動範囲が狭まります。
適切な治療をしないとこの症状は悪化することが知られており、悪化すると、必要性があったとしてもその場所に行けなくなるという事態に陥ります。
こうなってしまうと徐々に行動範囲が狭まってしまい、最終的に引きこもりにまで至ってしまう可能性さえあるのです。
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